2016年7月1日

ご案内 研究会目次


第16回 人と動物の共通感染症研究会学術集会の開催案内および演題募集
 
人と動物の共通感染症研究会会員の皆様
拝啓 日頃、人と動物の共通感染症研究会の活動にご理解とご協力をいただきありがとうございます。
さて、第16回 人と動物の共通感染症研究会の学術集会を下記の要領で開催いたしますので、ご案内申し上げます。
本年の学術集会は、例年の様に午前中は一般演題、午後は教育講演という形式で開催したいと考えております。
つきましては、一般演題の演題募集を開始いたします(下記参照)。会員の皆様から多数の演題申込みをお待ちしております。
                                                      敬具
会長 吉田 博(姫野病院 名誉院長)


日 時 2016年10月29日(土) 9:30 〜 18:00

会 場 国立感染症研究所戸山庁舎(共用第1会議室)
〒162-8640 東京都新宿区戸山1-23-1
URL:http://www.nih.go.jp/niid/ja/accessmap/toyama.html

内 容 午前 一般演題(10題ほどの演題を予定)
午後 総会ならびに教育講演

  【教育講演予定(いずれも仮題)】
   1. ビブリオ・バルニフィカスの基礎 永沢 善三 先生(国際医療福祉大学)
   2. ビブリオ・バルニフィカスの臨床 石井 邦英 先生(朝倉医師会病院)
   3. ジカ熱 岡部 信彦 先生(川崎市健康安全研究所)

※集会終了後、会場内の食堂で軽食を用意して、簡単なミキサーを計画しています。会員の皆様の交流・情報交換の場としてご利用いただけましたら幸甚です。奮ってご参加ください。

【 一般演題の応募要領 】
演題募集期間 2016年7月1日 〜 8月31日

演題応募方法 抄録作成例を参照の上、募集期間内に抄録ファイルまたはハードコピーを事務局までお送り下さい。応募いただいた演題は幹事会にて選考の上、
採択の可否を決めさせていただきます。採択状況は後日、演題応募者全員にご連絡いたします。責任者の連絡先(氏名、郵便番号、住所、所属、
電話番号、Fax番号、およびe-mailアドレス)をお知らせ下さい。
なお、一般演題でご発表いただきました内容につきましては、後日、「獣医畜産新報」にその内容の要約の掲載をお願いしておりますので、
そのことをご理解の上、応募いただけると幸いです。

抄録の様式 下記の作成例を参考にして、演題名、発表者名(発表予定者には名前の前に印をお付け下さい)、発表者の所属、および抄録本文を記入し、
A4用紙1枚(MS明朝10〜11ポイント)に収まるように作成して下さい。
抄録作成例(MS Word:24KB)のダウンロード

抄録の送付方法 1) e-mailにて送付する場合
  Microsoft Wordで抄録を作成し、eisei@cc.tuat.ac.jp (林谷) までメールに添付してお送り下さい。
  責任者の連絡先およびWordのVersion(WindowsかMacのいずれで作成したかも含めて)をお知らせ下さい。

2) 郵送する場合
  抄録原稿(CDまたはメモリースティックおよび印刷物)を下の住所まで郵送して下さい。責任者の連絡先を必ずご記入下さい。
   〒183-8509 東京都府中市幸町3-5-8
   東京農工大学大学院農学研究院動物生命科学部門内
   人と動物の共通感染症研究会 第16回学術集会 事務局 林谷秀樹

問い合わせ先 林谷秀樹(企画・学術担当)
東京農工大学大学院農学研究院動物生命科学部門
Tel/Fax: 042-367-5775
e-mail: eisei@cc.tuat.ac.jp

(作成例)
東アジアの人とげっ歯類のおけるハンタウイルス感染の疫学的研究
吉松組子1)、Sanit Kumperasart2)、Truong Thua Thang3)、荒木幸一1)、 Byoung-Hee Lee1)、奥村恵1)、中村一郎1)、Detlev H. Kruger4)、苅和宏明5)、高島郁夫5)、○有川二郎1)
1) 北海道大学医学研究科附属動物実験施設、2) National Institute of Health, Department of Medical Sciences, Thailand、 3) National Institute of Hygiene and Epidemiology, Hanoi, Vietnam、4) Institute of Virology, Charite Medical School, Campus Mitte, Germany、5) 北海道大学獣医学研究科公衆衛生学教室

「目的」
 ハンタウイルスはげっ歯類を自然宿主とし、人に腎症候性出血熱(HFRS)やハンタウイルス肺症候群(HPS)を引き起こす。HFRSはユーラシア大陸全域で発生しているが、中国および極東ロシア地域で最も多くの患者が報告されている。 しかし、その他の東アジア地域におけるハンタウイルス流行状況には不明な点が多い。本研究では、東アジアにおけるハンタウイルス流行の疫学的状況を明らかにすることを目的として、ベトナムとタイの人とげっ歯類を対象に ハンタウイルス感染の疫学的解析を行った。

「材料と方法」
 血清検体:ベトナム北部の6省で健常人もしくは不明熱患者(デング熱ウイルス陰性)2,500名よりまた3省より255例のげっ歯類より血清検体を得た(2003年)。タイ北部Surin省で2002-2003年に得られたレプトスピラ様患者 (抗体陰性)519例と19省より得られたげっ歯類血清(402例、1995-1998年)を用いた。抗体検査:ELISA、IFAおよびWB法による結果を総合して確定診断した。

「結果と考察」
 ベトナム人血清2,500例中、ELISAでの一次スクリーニングで擬陽性以上を示した 838例のうち北部3省(Haiphong港、Thanh Hoa省、Ha Nam省)の13例が血清学的にハンタウイルス抗体陽性と判定された。多くがSeoul型感染と 考えられたがHantaan 型に高値を示すものや血清型鑑別が出来ないものもあり多様な株の存在が示唆された。Thanh Hoa省とHa Nam省で捕獲されたげっ歯類(ドブネズミと考えられる)に抗体陽性例が認められた。 今回、Haiphong港のげっ歯類は含まれていないが現在調査を継続中である。タイの2症例から得られた3血清が抗体陽性であった。また、げっ歯類血清では 3地区で得られたBandicota indica(5/104)とそれぞれ1地区で得られた B. savileiとRattus rattusに陽性が認められた。これら人とBandicota陽性血清の交差中和試験の結果、Thiland 型ハンタウイルス感染と考えられた。特に、1症例は臨床症状がHFRSと類似し、抗ハンタウイルスIgM抗体も確認 されたことから、これまで人への病原性が不明であったThiland 型ウイルスがHFRSの原因ウイルスである可能性が示唆された。また、Thiland型ウイルスの標準株である749株のSセグメント遺伝子の塩基配列を決定した結果、 カンボジアのRattus rattusから得られたハンタウイルスと最も類似しており、タイやベトナム等のインドシナ半島諸国にThiland 型もしくは類似 したハンタウイルスが存在していると考えられた。
   
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